【ソウサクノート】すずり

すずりはお兄ちゃんと公園へ

池にお菓子が落ちる
池を見ると新月が映っている
池の新月に落ちる
新月の中から町を見下ろしている

すずりを探すお兄ちゃん
すずりは町を楽しく見学

太陽が沈む
町が暗くなる
お兄ちゃんはすずりを呼ぶ
呼ぶ声がすずりに届く
帰りたくなるすずり

沈む月がお母さんの鏡台の鏡に映る
すずりは月から出て鏡から家に戻る

おねいちゃんにすずりを一緒に探してもらおうと家に帰ったお兄ちゃんと会う
いつの間に帰ったんだよ!!
お兄ちゃんは怒っている
けど本当は怒ってないって、すずりは知っている

すずりの気持ちも
お兄ちゃんの気持ちも
知っている風のおねいちゃんは
すずりのほっぺを両手で押して
「お兄ちゃんの言うことちゃんときかなきゃだめでしょう?」
「いっぱい心配して探し回ったお兄ちゃんに、ちゃんと謝って!」

「ごめんね、お兄ちゃん」
「もう連れてかない!」

お兄ちゃんはきっと連れて行ってくれる
すずりはそう思っている