2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

末っ子ねずみ、末吉の話 2

とある田舎に農家を営む家族の平屋の一軒家があり、そこには、ねずみの一家が暮らしておりました。一家といいましても、お父さんねずみはあまり家に居ませんでした。お父さんねずみには放浪癖があり「山が俺を呼んでいる」と言って旅に出たり、「海が俺のた…

末っ子ねずみ、末吉の話 1

ねずみと言いましても、近頃ではいろいろな者がおります。まず、住むところが様々です。森の中、街の中、そして人の家の中等々。彼らがどのように暮らしているのか、一つ一つの場所でどのように暮らしているのか見ていきましょう。 昨今の技術革新は目を見張…

小吉の話

ねずみといいましても、近頃は色々なものがおります。まず、住むところが様々です。森の中、街の中、そして人の家の中。また、その生業も様々です。巣作りの材料を集める便利屋、抜け道、裏道を教える情報屋、そして、柱に彫刻をする芸術家。このように色々…

箱入り娘_投稿用

山間にある小さな町には、広い田畑の中に古い家屋がぽつりぽつりと建っている。この町に、新しい家が建ち、小さな子どもを連れた一家が都会から越してきた。真新しい家の屋根は空よりも濃い青で、その家には小さい庭があった。庭で一番日当たりのよい場所に…

廻る水

ハートの芽 雲がわく 海の上から 空の中から雲がわく ぷかぷか ぷかぷか 雲がわく雲が 雲がわく不安の雨を ざーざー 降らす喜びの雨が しとしと 濡らす心の大地に 魂の木に 雨が降る君が好きだよ 心の底から

箱入り娘

春、シロは小さな庭の柔らかな茂みの中で沢山の兄弟たちと共に生まれた。大きな人間たちはシロたちを「エキチュウ」と呼び放っておいてくれたので、小さな人間たちに見つかって棒で突かれる他は、彼女たちは害されることがなかった。 三日月が満月に、満月が…

男の見た夢_10【設定】

地図 三部族がいる北西・寒、湿 、 南西・暖、湿 、 東・温暖、乾中央部に神が住まうという平原「央」があるどの土地でも作物がとれるので、大きな戦にはならず、皆のんびりと共存していた。

男の見た夢_9【設定】

王妃の席次 王子・王女の年齢1 【20・4】・182 20・【18・1】第8位王子、第20位王子と共に3 【20・3】・184 20・【18・5】5 20・186 19・177 19・178 19・179 19・1710 19・1711 18・161…

男の見た夢_8【設定】

紋章 地形図 この島には十八の部族があった。小競り合いを繰り返しつつ、豊かな土地を分け合って十八の部族は共存していた。しかし、東方の一族の三代目の若き長は、白島よりもたらされた新たな武器を戦場に持ち込んだ。新たな武器を巧みに使い、瞬く間に十…

男の見た夢_7

常緑樹の林の作る涼やかな影に身を任せ、体の隅々まで水が行き届く心地よさに、作造は酔っていた。そのせいで、彼に近づいて来る気配に気づくのが一寸遅れた。気配に気づき振り返った時に目が合った。気配の正体は鬼だった。作造は、清水を汲みに来た鬼に出…

男の見た夢_6

「女の体にして、向こうの島に流してしまうのはどうでしょう。女の身になり、その苦労を負うのは、この者にはちょうど良い裁きではありませんか。」やや興奮しているのか、女の声は先ほどより高い様に聞こえた。「ほうほう。」「うむ、それは前例がないな。…

白雪姫と七福神_【覚書】

鏡よ、鏡よ、鏡さん、私の王子様はどこにいるの?あなたの王子様はここより、200Km程離れた小島におります。何をしている方なの?漁師にございます。しかも貧しい暮らしをしております。まあ、漁師なのね!しかも貧しいなんて。私、会いに行かなくちゃ!そし…

男の見た夢_5

酒をたらふく呑まされた作造は、浅い眠りの中にいた。彼は大海原の中に、一人小舟で放り出されたはずである。しかし、彼を取り巻く様に、四方八方から声聞こえた。「なんたる阿保だ。」「確かに阿保だな。どうしようもないな。」「だから言っただろう、こい…

男の見た夢_4

首尾よく作造を排した佐吉。早速次の日の朝早くまだ暗い内から、灯をもって例の滝へ出かけた。逸る気持ちを押えきれない佐吉は、前を向いて走る様に沢に沿って山を登っていく。佐吉の持っていた灯が、蛍のように左右に揺れた。灯の日が滝の傍で自然と消えた…

男の見た夢_3

どうしても黄金の石が欲しくなった佐吉は、三日三晩考え続けた末、ある噂を流し始めた。古戦場でかっぱらいをいている作造は、他人様の古女房もかっぱらうようになった、と。町の古道具屋の斜向かいにある薬問屋があり、ここの主人は行商のため家をよく空け…

男の見た夢_2

作造はまっすぐに滝壺の方へ潜っていった。夢の中で石仏が消えていった辺りには石がゴロゴロと転がっていた。近づいていくと、無論そこには石仏はなく、鈍く光る石があった。その石を一つ拾うと作造は水面に浮上した。水から顔を出し、石を見るとその石は太…

男の見た夢_1

ある晩、作造は夢を見た。夢の中で作造は山中を歩いていた。目の前には石仏が浮かんでいる。それは、田畑へ向かう途中の道にいらっしゃる石仏で、作造は何んとなしに、願をかけることもなく、「有難や有難や」と朝夕手を合わせていた。ふわふわと風にのり漂…

ひとみなかみのしゅしょく_【メモのメモ4】

鍛冶師と領主領主「上島も下島もすべて自分のものだ。乗っ取るから、武器作れ」鍛冶師「断る」領主「断る権利はない。武器を作れ」鍛冶師「絶対に断る」領主は鍛冶師の妻と娘(3~5歳)を人質にとって、武器を作るよう要求。武器ができたら、二人を開放する…

ひとみなかみのしゅしょく_【メモ3】

年老いた巫女が一日の大半を礼拝堂の窓辺で過ごした。ゆったりとした椅子が窓辺に置いてある。窓はいつも小さく開かれており、絶えず潮風が部屋の中に入ってくる。そこで年老いた巫女は、海をじっと見つめて過ごしている。 夏至が近づき、日の光が強くなって…

ひとみなかみのしゅしょく_【地図】

島の地図

ひとみなかみのしゅしょく_【メモ2】

★木こり・炭焼き職人(50歳)元は腕の立つ、名の知れた剣士で、偉い人の母の許嫁であった。器量の良さを見初められ許嫁は、本人たちの意思と関係なく召し上げられてしまった。そのことが引き金になり山にこもる様になり、最後は剣も家も捨てた。家督を弟へ譲…