みなおなじみちをゆく

紫雲の隙間に 薄紅が滲んで
傍らの残り葉は 薄白を受ける

土に支えられた子は 日を背に立ち上がり
苔光る山門の向こうに 来し方の連なるのを見た
道々茂る花の色は 父母(亡母)の情けであろうか

風を与えられた子は 頭をもたげて目を開き
草光る山道のそこここに 行く方なき子らを見た(がいる)

尾の短い子は手を動かし 耳の欠けた子は気配を探る
遠くを歩む子は脚を止め 側を(近く)を駆ける子は地べたを這う

子(ら)の潤んだ瞳は 誰がための情けであろうか
天の果てまで抜けた青空に 錦の橋が幾重にも架かる

光る橋の袂まで 老いも若きも進んでいく
行く方(宛て)のなき子らは 迷いながら進んでいく
行く方(宛て)を見つけた子らは 駆け抜けていく