2019-05-11 独白 【ソウサクノート】 「どこにいたってあぶれる。」髪を伸ばしたままにした女は思った。揃えることのない前髪は、彼女の顔を覆うようにして垂さ下がっている。幕のような髪、その奥で彼女の目は真っ直ぐに前を見ている。寄せては返す波をじっと見つめ、口を開くことなく波音を聞いている。