吟じます_3

ボクの口からこぼれた葉に キミは労りの雫をかけた
口元がまがった さみしい笑顔でもって
ボクの季節は巡る キミの季節とは異なる早さで

ボクから伸びる若枝に キミは励ましの雫をかけた
鼻にかかった声を さみしい笑顔でもって
ボクの季節は巡る キミの季節とは異なる早さで

キミが愛でた花は枯れ 散ったのちに新芽が宿る
ボクの季節は留まることを知らず
キミの季節は急くことを知らない
新た咲く花をキミが愛でることはないけれど
それは寂しいことではないのだろう