首尾よく作造を排した佐吉。早速次の日の朝早くまだ暗い内から、灯をもって例の滝へ出かけた。逸る気持ちを押えきれない佐吉は、前を向いて走る様に沢に沿って山を登っていく。佐吉の持っていた灯が、蛍のように左右に揺れた。灯の日が滝の傍で自然と消えた…
どうしても黄金の石が欲しくなった佐吉は、三日三晩考え続けた末、ある噂を流し始めた。古戦場でかっぱらいをいている作造は、他人様の古女房もかっぱらうようになった、と。町の古道具屋の斜向かいにある薬問屋があり、ここの主人は行商のため家をよく空け…
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