灯の街灯 雨上がりの茜空に真白の月が昇る
西の空に広がる黄金色の闇 厚い雲に隠され夕日は届かない

取り残された水溜り その静かな水面を踏む
つま先から伝わる波紋 囁くように水音が響く
静かだった水面は乱れ 水中では砂粒が浮かんでは沈む

東の空が紺色に染まり 月は白さを増していく
月は少し欠けた姿を恥じるように 薄い雲を手繰り寄せる

涼しい風が吹き 月にかかった雲を流していく
月は少し欠けたその姿を またもや露わにされる

星々に慰められたのであろうか 月はその身を縮めながら
ゆっくりと濃紺の空を昇ってゆく

乾いた風が吹き 小さな水溜りから居場所を失っていく
一つ、また一つと水溜りが消えていく 確かにそこにあったのに

街灯に灯が灯り 小さな星々が居場所を失っていく
一つ、また一つと星が消えていく 確かにそこにあったのに

濃紺の空の頂にむけ 少し欠けた月が昇っていく